月経前症候群の改善に当帰芍薬散が効果的
月経周期に合わせてホルモンバランスが変わるのは、自然な作用だとは知りつつも、重い月経前症候群は辛い物ですよね。
症状が重く辛いからと言っても、体に必要な変化だと思うと、副作用の強い低用量ピルなどホルモン剤の使用や薬品の常用は避けたいところです。
体に穏やかに作用する、漢方なら試してみたいと思われるかたも多いのではないでしょうか。月経前症候群の時に処方されやすい、当帰芍薬散とは一体どんな漢方薬なのでしょうか。
現代女性の体質にマッチした当帰芍薬散
諸外国の方からみると、日本人女性は痩せすぎだと言われていますが当帰芍薬散そういった、細身で色白、冷え性であまり体力に自信のない方に適した漢方です。
当帰芍薬散の原料は、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)もしくは白朮(ビャクジュツ)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)の6種類となります。
当帰と川きゅうは血行促進効果と貧血改善効果が高く、体を温める作用もあるため、腰痛や腹痛、肩こりの改善効果も期待が持てます。
芍薬の主な効能は痛みの軽減で、肩こりや生理痛によく効きます。蒼朮、沢瀉、茯苓の3つは、漢方では利尿剤の代表格とされるもので、むくみ改善効果があります。
それぞれ単体でも効果のあるものですが、同時に摂取することで、相乗効果から高い効果が得られるのです。
漢方の原料は植物だから副作用は無い?
科学的に合成された薬品と違い、自然の植物から作られる漢方には副作用がないと思われがちですが、特別な強い力を持った植物だからこそ、漢方として使用されるものです。
当帰芍薬散には急激な強い副作用はありませんが、人によっては胸焼けや食欲不振を感じる方も居ます。飲み続けているうちに体が慣れ、症状は発生しにくくなるものですが、辛いようなら無理して飲まず、別の漢方に変えてもらうのも良いかも知れませんね。
ごくまれに、発疹やかゆみ、肝機能の異常、下痢を起こす方も存在します。これらの副作用が出た際には飲むのを中止し、医師か薬剤師に相談するようにしましょう。
当帰芍薬散ってどうやって飲むの?
月経前症候群改善薬として病院で処方されるものでは、ツムラ、コタローなど医薬品メーカーから出ている顆粒のものがメインとなります。処方箋が必要なくドラッグストアで購入できるものもあります。
顆粒なタイプは煎じる必要はなく、普通に飲むこともできますが、お湯や水に溶かす方法は吸収率が高くなりますからおすすめです。せっかく体を温める作用のある漢方薬ですので、冷水で飲むのは避けましょう。
漢方薬の基本はぬるま湯か常温です。1日に2〜3回、食前か食間にぬるめのお湯で溶かし、ゆったりとした気分で飲むようにしましょう。やや胃腸に負担のかかる成分が含まれていますので、胃腸機能に不安のある方は、空腹時は避けた方が無難です。
当帰芍薬散には、セリ科の植物が使われている為、味にはかなりクセがあります。野菜のセロリが苦手な方には飲みにくい漢方かも知れませんね。日本人の体質にもよく合う当帰芍薬散は、月経前症候群の改善には大変有効な漢方薬です。