月経前症候群、PMS、生理前の不調に桃核承気湯は効果がある?
月経前になると起こる心身の不調に、いっそのこと生理が無くなってしまえば良いのにと思う事ってありますよね。でも、これから妊娠・出産を望む女性には大事なものですし、意識的に生理を止めるなんてことは出来ません。
そんな月経前の不調に悩む女性には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)が効くと言われています。桃核承気湯はどんなものから作られていて、どんな効能・効果があるのでしょうか。
桃核承気湯ってどんなもの?
すでに字面から漢方薬だという事はお気づきかもしれませんね。生薬の桃仁(とうにん)、桂皮(けいひ)、大黄(だいおう)、甘草(かんぞう)と、芒硝(ぼうしょう)をブレンドした漢方薬です。血液の滞りを解消、精神安定、ホルモンバランスの調整、便秘解消効果があります。
具体的な症状としては、血行促進、不安感の解消、イライラ感の軽減、リラックス作用、生理不順・生理痛の軽減、腰痛、便秘、肩こり、めまい、動脈硬化、痔、打ち身、便秘、高血圧症による頭重感の軽減です。これひとつで、女性の悩みを一挙に解決できそうな勢いですね。
桃核承気湯には何が入ってるの?
口に入れるものですから、どんなものが使われているのかが気になりますよね。生薬は桃仁、桂皮、大黄、甘草の4種類、そこに漢方では芒硝と呼ばれる硫酸ナトリウムが配合されています。
桃仁
桃の種の中にある核を乾燥させたもので、血行促進、膿出し、潤腸(じゅんちょう/腸内にうるおいを与える作用)、月経周期を調整する作用があります。
桂皮
食品としてはシナモンと呼ばれているもので、発汗作用、解熱作用、胃腸機能の回復効果があります。
大黄
利尿作用、瀉下作用(しゃげさよう/下剤の意味)、消炎作用、胃腸機能の回復効果があります。
甘草
けいれん止め、止渇作用(のどの渇きを抑えること)、痛み止め、咳止め、虚誕、解熱、鎮静、胃腸機能の回復、薬効の調和作用があります。
芒硝(ぼうしょう)
天然の含水硫酸ナトリウムで、便秘解消、利尿作用、血液の凝固を抑える作用があります。
桃核承気湯が月経前症候群に効く仕組み
月経前症候群は、体内の血のめぐりが悪いと悪化すると言われています。桃核承気湯は血のめぐりと、気力の向上効果の高い漢方薬です。
血のめぐりが良くなる事で、婦人科系の器官をはじめとする内臓への血流が良くなり、内臓の働きが良くなり、ホルモンの分泌量も安定し、月経前症候群の予防や改善効果が得られます。血行が促進されれば、冷え性や肩こりなども改善されます。
内臓の冷えをなくすことでも、月経前や月経中の下腹部痛や腰痛は軽減されるものですが、桃核承気湯には痛み止め作用のある生薬も配合されていますので、生理痛軽減にも役立ちますね。
月経前にはプロゲステロンの働きで、うつ症状やイライラ感を感じる事が増えるものですが、桂皮や甘草の作用で心が穏やかで前向きになれるんですよ。
桃核承気湯ってどこで買えるの?
桃核承気湯は病院で処方してもらうことも、薬局で購入することもできるんです。市販品は第2類医薬品なので、風邪薬のように薬局でそのまま買えるのですが、処方薬の4分の3程度の強さになっています。
桃核承気湯の薬価は1gあたり8.5〜10.1円なので、1日5gで3割負担の保険なら、15日分で300円前後になります。
病院や調剤薬局での待ち時間が嫌だという時には、薬局やドラッグストアはもちろん、通販で買う事もできますよ。市販薬は処方薬より成分が少ないからと言って、規定量以上を飲むのは止めましょうね。
桃核承気湯を飲む時の注意点は?
漢方薬なので、基本的には食前か食間(食事と次の食事の間)です。桃核承気湯は痩せ型で胃腸の弱いかたには不向きで、体格が良く、比較的体力のあるかた向けと言われるお薬です。
まれに皮膚のかゆみや発疹、胃腸機能の低下といった副作用が起こることがあります。子宮に影響を与える可能性のある、大黄が配合されていますので、妊娠している可能性のあるかたの服用は避けましょう。
甘草で偽アルドステロン症や低カリウム血症を起こす可能性があります。筋力の低下、脱力感、痙攣、こむらがえり、動悸を感じた時には、すぐに服用を中止しましょう。
月経前の不快な身体の不調や、心のもやもや感を減らしてくれる桃核承気湯ですが、大量に飲んだからと言って効果が高くなるものではありません。決められた用法・容量を守り、つらい時期を快適に過ごしましょう。