月経前症候群はセロトニン不足?PMS改善にセロトニンを増やそう
PMS(月経前症候群)の原因のひとつに、『セロトニン』不足が挙げられます。PMSとは、月経の2週間ほど前から起こる、心や身体のさまざまな不調の総称です。
PMSの起こる原因も個人差がありさまざまですが、セロトニン不足は女性ホルモンの分泌バランスの変化から起こるため、ほとんどの女性に当てはまります。
セロトニンが不足するとどうなる?
PMSとセロトニン不足には深い関わりがあります。セロトニンとは、『ノルアドレナリン』『ドーパミン』と並ぶ、三大神経伝達物質のひとつです。
セロトニンは体内で重要な役割を担っており、私たち人間の精神面に大きな影響を与えています。心や身体の安定に深く関わっていることから、『幸せホルモン』とも呼ばれています。
セロトニンが不足したり、その働きが低下したりすると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすくなると言われているのです。
生理前になると、このセロトニンの分泌量が低下することで、イライラしたり、気分が沈みこんだり、ネガティブ思考になったりする原因となってしまいます。
また、精神面だけではなく、セロトニン不足は身体面にも大きな影響を与えます。偏頭痛や肩こり、身体がだるくなったりする症状などがその代表です。
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ストレスが溜まるとセロトニンが減ってしまう!?
PMSになりやすい方は、ストレス耐性が低い傾向にあると言われています。女性は月経前になると、女性ホルモンである『エストロゲン』と『プロゲステロン』の分泌バランスの変化から、セロトニンの分泌が急激に低下します。
これによって、さらにストレスが蓄積しやすい状態になってしまうのです。しかも、PMSの症状に悩まされている方が、そのこと自体にストレスを感じることで、さらにストレスを招いてしまうという悪循環が起こってしまう場合もあります。
この悪循環を断ち切るためには、セロトニンの分泌を増やし、ストレス耐性を高めることが必要で、それがPMS改善への重要な一歩となるのです。
また、セロトニンはホルモンの変化やストレスだけではなく、加齢によっても減少することがわかっています。10代、20代のうちはPMSと無縁だったという女性も、年齢を重ねることでPMSの症状が重くなってしまうことがあります。
セロトニンを増やすには
まず、最も手軽にセロトニンを増やす方法は、太陽光を浴びることです。特に朝、寝起きの網膜に太陽光を浴びることで、セロトニンの分泌量は増やすことができます。
外に出なくても、窓やカーテン越しに浴びるだけでも十分です。目が覚めたら朝日を浴びるようにしましょう。次に大切なのは、規則正しい生活です。セロトニンの大部分は、日中に分泌されます。
夜間には、睡眠の質を高める『メラトニン』というホルモンが代わりに分泌されます。昼夜逆転の生活などをしていると、このセロトニンとメラトニンの分泌や作用が低下し、心身ともにさまざまなトラブルが起きる原因となります。生活のリズムを整えることで、セロトニンが分泌しやすい体質になりましょう。
セロトニンを増やすおすすめの食べ物
そして最後に心がけたいのは、栄養バランスのとれた食事をすることです。特にセロトニン生成の材料となる『トリプトファン』や、セロトニンの分泌を促進するビタミンB6などを、多く含む食品を積極的にとるようにしましょう。
トリプトファンを多く含む食品:バナナ、牛乳などの乳製品、ナッツ類、オートミールなど。
ビタミンB6を多く含む食品:レバー、くだもの、ナッツ類、オートミールなど。
ほかにもリズム運動やストレッチなど、セロトニンを増やす方法はいろいろとありますが、まずは継続することが非常に重要ですので、手軽に生活に取り入れることのできるものから始めてみましょう。
セロトニンを増やす食べ物で毎日食べてもどうにか飽きそうになるものでできるだけたくさん食べれるものと考えるとオートミールがおすすめです。
日本ではあまりなじみがないものですが、欧米ではよく朝食で食べられているもので、日本ではグラノーラに麦っぽい固いものがあるのですが、それがオーツ麦=オートミールです。
フルグラなどでもオートミールは摂れますが、100%オートミールのほうが栄養も多く摂れますから、フルーツ、ドライフルーツ、ヨーグルトなどで味付けをして食べてみてください。
100g中で水溶性食物繊維が4g程度、不溶性食物繊維が6gと食物繊維も多いので便秘解消にも役立ちます。生理前の便秘解消にもぴったりというわけです。
オートミールを選ぶときの注意点として臭いに敏感な方はクエーカーはやめたほうが無難です。独特のにおいがします。日本で加工されている「プレミアム ピュア オートミール」というのが無臭に近いので食べやすいですよ。