女性の耳鳴りは月経前症候群の可能性も!対処方法は?
月経前症候群の症状のひとつに、耳鳴りがあります。生理が始まると症状が落ち着く場合や、生理前にだけ症状が出る場合は、その耳鳴りは月経症前症候群である可能性が大きいのです。
耳鳴りとめまいが同時に起こることも多く、吐き気を伴うこともあります。耳鳴りの原因と対処法を知って、月経前症候群を改善しましょう。
なぜ耳鳴りが起こるのか?
生理の二週間くらい前になると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量に、大きな変化が起こります。そのためホルモンのバランスが崩れにくくなり、身体の機能がその変化に追いつかなくなってしまいがちです。
このときに起こる身体的・精神的なさまざまな不快な症状が、月経前症候群と呼ばれるものです。女性ホルモンの分泌をコントロールするのは、脳にある脳下垂体という部分です。
この脳下垂体のすぐ近くに自律神経をコントロールする視床下部があります。このように脳下垂体と視床下部は並ぶように存在しており、互いが互いの影響を非常に受けやすくなっています。
これが、生理前や生理中に女性ホルモンの分泌量のバランスが変化することで、視床下部が影響を受けてしまい、自律神経のバランスが崩れやすくなる理由です。
そして耳鳴りの原因のひとつには、自律神経の乱れがあります。それは、自律神経の乱れによる影響が出やすいのが、聴覚だからです。
自律神経のバランスが崩れると、三半規管が過敏に反応してしまい、耳の機能や音の調節がうまくいかなくなって、耳鳴りやめまいへとつながっていくのです。
耳鳴りには『むくみ』や『貧血』が原因の場合も
女性ホルモンのバランスが崩れると、身体は代謝を低下させて、水分を溜めこむようになります。こうなると体内に余分な水分が増えてしまい、それがうまく循環せずに身体のさまざまな場所がむくむようになってしまいます。
このむくみが起こった場所が、『内耳』だった場合、身体のバランスを保つことが難しくなり、耳鳴りやめまい、あるいは耳が聞こえにくいなどという症状が出ると考えられています。
また耳鳴りには、貧血が原因の場合もあります。貧血が原因だと、耳鳴りは低温の『ウィーン』という感じのもので、急な動きをしたときに立ちくらみと同時に起こることが多いとも言われています。
生理前の耳鳴りへの対処法は?
月経前症候群が起こる最大の原因は、ストレスだと言われています。生理前以外にも、一般的にはストレスが原因で、耳鳴りが酷くなるということがわかっています。
まず、どのようなことがストレスの原因となっているのか、自分自身できちんと認識して、ストレスを溜めこまないように、セルフコントロールを心がけましょう。
ストレス解消の次に大切なのは、食事です。月経前症候群の改善には、栄養バランスのとれた食事、特に良質のビタミンやミネラルの摂取が効果的です。むくみなどの症状があるときには、塩分の摂取を控えめにすることにも効果があります。
また、月経前症候群の改善には、運動も効果的です。身体に水分を溜めこみやすい生理前には、ウォーキング、ヨガ、水泳などの有酸素運動で汗をかくようにしましょう。
軽度の耳鳴りは、セルフケアによって改善することも可能です。ただし、あまりにも症状が酷いときには、耳鳴りが身体からの、不調のサインであることがあります。さらに重症化する前に、病院での診察を受けるようにしてください。