PMS改善に処方されるルボックスの効果、副作用について
PMSの症状の出かたは人それぞれ、女性の体の周期的なものだから、時期が過ぎるのを待つしかないのはツライところですよね。
月経前になると気分が落ち込む、不安感が高まる、集中力の低下、好きだったものを楽しめない、眠りの質が悪くなる、食事が楽しめない、疲れやすくてだるい、頭痛や頭重感、動悸や息苦しさを感じるという方は多いですよね。
そんなうつ症状の緩和に、抗うつ剤のルボックスを服用するとどうなるのでしょうか。
ルボックスはSSRIタイプの抗うつ剤
SSRIとは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)と呼ばれるタイプの抗うつ剤で、脳内物質のセロトニンが神経間細胞に再吸収されるのを防ぎ、セロトニン濃度が下がり過ぎないようにする作用があります。
セロトニンは主に生体リズムに係わるホルモンで、体温調節や睡眠、心身の安定作用を高める効果のある物質です。もしかしたら幸せホルモンの呼び名の方が有名かも知れませんね。
そんなセロトニン濃度の低下を防ぐルボックスは、SSRIタイプでは一番古いお薬です。基本的には神経内科や心療内科でうつ病の軽減薬として処方されるものですが、PMSのうつ症状の緩和にも処方されることがあります。
ルボックスは保険適用されるの?
一般的にPMSの軽減目的で通うのは、内科や婦人科ですよね。保険適用でPMS治療の為に処方されるお薬は、女性ホルモン配合剤です。
かかりつけの病院を訪れ、ルボックスを処方して欲しいとお願いしても、処方箋は書いてもらえないものなんですよ。ルボックスはあくまでも抗うつ剤なので、PMDD(月経前不快気分障害)が認められないと処方される事はありません。
つまり、内科や婦人科ではなく、心療内科や精神科の分野になります。セロトニン濃度の低下によるうつ症状が認められれば、ルボックスは保険が適用されます。
症状の重さによって用量は1日50〜150mgと変わってきます。1日50mgで保険が3割負担なら、2週間分で約260円、最安値のジェネリックなら約60円程度です。
ルボックスの効能や副作用って?
ルボックスはセロトニンの濃度を保つ作用が高いため、不安感や強迫性障害の軽減に役立ちます。
うつ症状の治療薬としては並の強さなので、それ程強いものではありませんが、他のSSRI剤よりも高容量まで使用できることから、症状に合わせて細かい処方が可能だという特徴があります。
気になる副作用は、実は結構あるんです。SSRI剤によく起こる副作用には、口の乾き、便秘、めまいやふらつき、吐き気、不眠症状、日中の眠気、体重の増加、性機能障害がありますが、ルボックスは特に吐き気が強く、口の乾きや便秘も起こしやすいお薬です。
ルボックスはセロトニン濃度を維持する作用があるため、PMSのうつ症状の軽減に役立つものではありますが、それはあくまでも薬の作用によるもので、セロトニンの分泌量が増える訳ではありません。
どうしても耐えられない時の服用はともかく、薬に頼り過ぎないようにし、PMSに効果がある運動や大豆製品などの食べ物、PMS用のサプリメント摂取や、生活習慣の見直しなども行っていくようにしましょう。