月経前症候群(PMS)の症状の緩和には、マグネシウムの摂取が効果的です。女性の80%以上が、程度の差こそあるものの、月経前症候群を経験していると言われています。
月経前になると、『イライラする』『攻撃的になる』『不安になる』『憂鬱になる』、または『足がつる』『手足がむくむ』『頭痛がする』というような症状を感じる方は、マグネシウムが不足している可能性があります。
月経前症候群とマグネシウムの関係
マグネシウムは、私たちの健康には欠かせない、非常に重要なミネラルです。神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン、GABAなどの合成にも使われるため、月経前症候群の、特に精神面での症状とも関わりがあると考えられています。
月経前症候群の症状がある女性のマグネシウムの血中濃度は、症状のない女性よりも低いという報告があります。このことからも、月経前症候群の症状の緩和には、マグネシウムが効果的だと言われているのです。
またマグネシウムが不足すると、ホルモンバランスが乱れてしまいます。ホルモンバランスの乱れは、月経前症候群の症状の悪化に直結します。
精神を安定させるミネラル
マグネシウムはカルシウムと一緒にとることで、相乗効果を発揮します。このふたつのミネラルを一緒にとると、精神を安定させる効果があると言われています。
月経前症候群でも、イライラや気分の落ち込みなどの精神的な症状が起こりやすいと感じる方は、マグネシウムとカルシウムを一緒に、意識的に摂取するようにしてみてください。
マグネシウムとカルシウムの摂取量のバランスは、1:2が最適と言われています。ただし、牛乳は体内に吸収されやすく、カルシウムを摂取するには適している食品ではあるのですが、実は乳製品のとりすぎは、マグネシウム不足の原因になります。
桜エビ、シラス干し、モロヘイヤ、バジルなどにも、カルシウムが多く含まれています。こういった乳製品以外の食品で、カルシウムを摂取することがおすすめです。
マグネシウムを多く含む食品
現代の食生活は、慢性的にマグネシウムが不足しがちだと言われています。特に女性は、月経前になると、マグネシウムが少しずつ不足し始めます。この時期にマグネシウムを十分に摂取することで、月経前症候群の症状の緩和が期待できます。
マグネシウムを多く含む食品は、玄米、ほうれん草、アーモンド、くるみ、ひじき、ゴマなどです。過度なストレス、飲酒や喫煙、添加物の多い食事ばかりしている場合は、マグネシウムの消費が激しいので、これらの食品を積極的にとるようにしましょう。
マグネシウムを多く含む食品10選
食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) | 備考 |
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かぼちゃの種 | 約592mg | 乾燥したもの |
チアシード | 約335mg | |
アーモンド | 約270mg | 生またはロースト |
ひまわりの種 | 約325mg | 乾燥したもの |
カシューナッツ | 約260mg | ロースト |
ほうれん草 | 約79mg | 生 |
ソイナッツ(大豆) | 約86mg | ロースト |
黒豆 | 約70mg | 煮たもの |
キヌア | 約64mg | 茹でたもの |
ダークチョコレート(70-85%カカオ) | 約228mg |
※上記の表は、マグネシウムを豊富に含む食品とそのおおよその含有量を示しています。マグネシウムの含有量は、食品の種類や品種、調理方法によって異なることがあります。
マグネシウムを食生活の中ではとりにくいという方は、サプリメントでの摂取がおすすめです。摂取量は一日に200~400mg程度が目安ですが、とりすぎてしまった場合でも、マグネシウムは体外に排出されやすいので、副作用の心配はほとんどありません。
マグネシウムの摂取は2~3か月続けることで効果が出ると言われています。月経前症候群だから仕方がないとあきらめてしまわずに、根気強く摂取し続けてみましょう。